深夜釣行 > 釣行記 > 2010/ 7/16
九州5日間ひとり旅
〜熊本シーバス&宮崎クロダイ〜
1.【準備編】
2.【旅立ち編】
3.【未知との遭遇。そして火の国へ】
のつづき
7月17日(土曜日)午前3時
車内に携帯電話の目覚ましアラームが鳴り響く。
狭い軽四貨物車の中だけど、シートをフラットにできるので短時間ながらぐっすり眠ることができた。
隣に車を停めて仮眠していたてらもっちゃんと土穴くんも起きてきたようだ。
昨日塩たこやきを焼いてくれたコーさんも来てくれていた。
さぁ、いよいよ九州での釣り初体験だ。
これから行くポイントは、ズルズル滑る消波ブロックに乗らなければならないらしい。
フェルトだけでは危険という事で、自分のウェーダーの底にてらもっちゃんがビスを打ってくれた。
六角頭の短いビスを片足10個、合計20個ねじ込んでいく(感謝)
これで準備万端。
4人でポイントにエントリーする。
先程靴底に打ってもらったビスのおかげで、ヌルヌルのスロープや消波ブロックもがっちりグリップ。
無事にポイントに到着することができた。
ポイントには既にSASANOさんという地元釣り具店勤務のアングラーが先行して入ってくれている。
いやぁ、場所取りごくろうさん・・・と思いながら挨拶しようと近づくと
もう竿曲げてますやん(爆)
土穴さんがランディングを手伝い、無事ランディングされたのは70cmクラスの立派なシーバスだった。
スゴイ!これが噂の熊本のシーバスか!
初めて見る有明鱸だが、色も銀ピカで綺麗だし、何より体格がゴツくてかっこいい。
SASANOさん、ナイスフィッシュおめでとう・・・ってか
君が釣ってどうする! 俺に釣らさんか〜い!
しかしいきなりシーバスを見せつけられて、テンションが一気に上がった。
全員ポイントに散らばって釣りを開始する。
自分もポイントの状況と釣り方を教えてもらい、有望スポットを譲ってもらって釣り開始。
先程のSASANOさんのヒットルアーは悟空だったとの事なので、エスフォー11を川の流れに撃ち込んでいく。
水面には適度にベイトの波紋が出ていて流れもしっかり効いている。
今にもドバンとシーバスが水面を割って出てきそうな雰囲気だ。
しかし・・・アタリがない。
そう甘くはないわな。
土穴さんは僕にも何とか釣らせようと、少しずつ移動しながらフレッシュポイントを叩かせてくれるが、やはり反応がない。
ルアーも手持ちのトップ&シャロー系ミノーを色々試してみるが反応がない。
土穴さんが貸してくれたここでの実績ルアーも反応なし。
アップクロスに投げてみたり、ダウンクロスでドリフトさせてみたり
早目のリトリーブで流れを横切らせたり、流れに乗せて漂わせたり
いろいろやってみるが、やはりアタリはない。
他のみんなも魚からの反応は得られていない様子だ。
そうこうしているうちに、だんだん空が明るくなり始めた。
東の空が朝焼けに染まる
朝マズメの時合いがあるのか?
何とか熊本のシーバスと出会いたくてキャストを続ける
(写真はHINOKUNI FISHERより拝借)
明るくなってからは、何とかトップに魚を出したくてTDペンシル11Fをメインに水面を攻めてみる。
しかし、シーバスからの反応がないまますっかり夜が明けてしまった。
こうなってくると気温はぐんぐん上昇。
午前7時前には暑くなってきたし、潮も下げてしまったのでギブアップさせてもらった。
てらもっちゃん、土穴さん、コーさん、SASANOさん、ありがとう
釣れなかったけど九州の釣り初体験は楽しかったヨ
さてと・・・早朝から釣りして腹も減ったので、てらもっちゃんに朝食の案内をお願いする。
それじゃ一緒に朝メシを食いましょうという事で連れて行ってくれたのは「ごちそう広場ヒライ」という弁当ショップ。
コンビニみたいな感じの店で店内で食事もできる、高知のくいしんぼ如月と同じような感じの店だ。
24時間営業で値段も安く、やはり地元アングラー御用達のお店になっているらしい。
ここでラーメンを食って熊本での遊びは終了。
来月のパーティーでの再会を誓いあって熊本の友人たちに別れを告げ、また一人になって旅を続行する。
当初の予定では九州北部を気ままに放浪するつもりだったが、予定なんてあってないような旅なのでさらに南を目指すことにした。
出発前にmixiに書いた日記に対して次のようなメッセージが入っていたのだ。
アンソン |
宮崎までどうぞ! お相手いたしますよ! |
いさぢまんぬ |
宮崎でお待ちしておりますよ。 |
今回の旅は自由気ままな一人旅だし、日程的にももまだ5日のうちの3日目の朝なので余裕はある。
せっかく呼んでくれてるのに行かない理由なんてなーんにもないのだ。
熊本から高速道路に乗り、一気に宮崎を目指して走る。
今日からは土曜日で高速料金もどこまで走っても千円ポッキリだ。
運転途中で眠気が襲ってきたのでパーキングエリアで1時間半ほど仮眠をとり、のんびりペースで九州道を南下。
宮崎道をさらに進み、インターを出たところで消毒マットの上を徐行するように指示される。
連日報道されていた口蹄疫の防疫のための車両消毒だった。
こうしてアンソンさんの住む宮崎県都城市某所に着いたのは昼前だった。
ルアーフィッシング大好きアンソンさんのお宅は海から近いのかと思っていたが、えらい海から離れた山間部の町だった。
ここからはアンソンさんの車に乗せてもらって、ランチ&フィッシングに出掛けることになった。
ここでずうずうしくもアンソンさん宅に上がり込み、お茶とお菓子をごちそうになる。
アンソン&嫁ソン&子どもたち
釣りの方はクロダイのトップゲームをやるとの事だったので、とりあえず使えそうなタックルをアンソンさんの車に積み込む。
昼メシは都城が発祥の地とされるチキン南蛮を食べさせてくれるらしい。
とりあえず海に向かって車を走らせるが、やはり目に着くのは道路のあちこちに設置された消毒ポイントだ。
この消毒ポイントでは停車して消毒液の噴霧を受ける
この蒸し暑い日中でも、このように白いツナギの防護服を着て車両消毒に当たっている方がたくさん居るのだ。
アンソンさんもこの作業に従事した事はあるとの事だが、防護服は通気性全くないそうだ。
(これは大変だぁ!)
宮崎では見えない敵である口蹄疫と未だ懸命に闘っているのだという事を感じずにはいられない。
既にこの地域では牛も豚も一頭も居なくなっている。
この地域の農家の人たちは生活の糧を失い、それでも口蹄疫を他地域に広げないために大変な消毒作業を続けている。
自分が見たの宮崎県の現状は、凄惨を極めた口蹄疫との闘いの表面的なごく一部であり、本当の大変さは計り知れないと思われる。
この多くの人達の苦労がなければ、今頃は自分の地元である四国でも凄惨な事態になっていたかもしれないのだ。
この記事を書いている時点で、やっと移動制限が解除になったとの報道がされていた。
全ての家畜を失ってしまった農家の復興は容易ではないだろうが、一日もはやい復興を願うばかりである。
さて、アンソンさんの運転する車はいくつもの消毒ポイントを通って海を目指して走る。
途中アンソンさんはタイドグラフと時計をしきりに気にしている様子だった。
できるだけいい条件で釣り場に入り、何とか自分に宮崎のクロダイを釣らせたいという事らしい。
それに友草さん(いさぢまんぬさん)の情報によれば、比較的近場のポイントは今日はダメっぽいので遠くまで走るつもりのようだ。
アンソン「すんません、メシ食ってたら時合いに間に合いません。」
「昼飯は後でいいっすか?」
出た!
釣りのためには食う寝るよりも釣りを優先するアングラーの行動パターン(笑)
OK!昼飯はとりあえずコンビニのパンとコーヒーにしてポイントに行こうぜ!
2時間以上走ってポイントの河口に到着。
暑いけどウェーダー装備で川に入っていく。
アンソンさんにポイントの状況を説明してもらってキャスト開始。
数日前に友草さんと来た時にはここで良型チヌが釣れていたとの事なので期待を込めて
投げる 投げる 投げる
アンソンさんも
投げる 投げる 投げる
2人で上流の流れが変化しているスポットに移動して
投げる 投げる 投げる
潮も下げてきたので思い切って下流側に移動して
投げる 投げる 投げる
そして・・・
チーン(終了)
せっかくアンソンさんが連れてきてくれたので何とか1匹釣りたかったけど、今日はチヌがお留守だったようだ。
まっ釣りなんてこんなモンさ
アンソンさんと一緒に釣りができただけで十分楽しかったヨ
ありがとう^^
チヌは諦めて、次なるプランは【友草自動車襲撃作戦】だ。
オオニベの聖地を横目に見ながらアンソンさんの車は一路友草自動車を目指して走る。
川南町・都農町・・・口蹄疫のニュースで見た地名の標識が見える。
そして夕方には友草自動車に到着。
店の表にはブログで見たあのUPMジムニーが停めてある(カッコイイ)
店の中に突入すると、仕事着姿の友草さんが出迎えてくれた。
まずは今日の釣りの報告をすると
友草 「残念!ぜひ宮崎のチヌで”元祖・変形友草持ち”をやって欲しかったなぁ」
しまっ 「いやいや友草さん、それ”元祖”の使い方おかしいし(笑)」
お仕事中にも関わらず、宮崎のいろんな話を聞かせてくれた(感謝)
まさに九州男児というイメージにぴったりコンビ
ダベリのお題は、釣りの話、口蹄疫のマジメな話、そして下ネタ(笑)
楽しい時間は過ぎるのも早いもので、友草さんはお仕事でこれから出掛なければならないとの事。
これから店を出て、今日開通したばかりの東九州自動車道を走るとの事だったので、途中までついていく事にした。
一緒にお店を出てUPMジムニーの後を走る。
そして数時間前に開通したばかりのインターチェンジから真新しい高速道路に入る。
もちろんここでも消毒液の水たまりが作られている
途中でUPMジムニーとは別れて友草さんはお仕事へ、自分とアンソンさんは帰路へと進む。
そういえば今日の昼飯はコンビニのパンとジュースだけだったし、腹が減ったので次は晩飯だ。
そして今日の晩メシは・・・
またまたアンソンさん宅に上がり込んで、嫁ソンさんの手料理!
近所の肉屋で地鶏まで準備してもらっていた
しあわせ家族の団らんに割り込んだうえに、おかわりまで要求する図々しい宇宙人一匹。
かわいい子どもたちも突然上がり込んできた見知らぬオジサンにフレンドリーに接してくれる。
フラリと遊びに来てここまで手厚くもてなしてもらっていいものだろうか?
あまり遅い時間までお邪魔するわけにもいかないのでそろそろ退散しなければなるまい。
お礼を言ってアンソンさん宅を出発する時には、家族全員が家の外まで出てきてくれて見送ってくれた。
いつまでも手を振って見送ってくれるその姿に、何かグッとこみ上げてくるものを感じてしまう。
ありがとうアンソンファミリー。
さようならー(ToT)/~
最後にはお土産まで持たせてもらって、本当にどう感謝していいか分からないぐらいだ。
あれ?
お土産・・・
車に積んだっけ??
あーっ、忘れたーっ!
せっかく頂いたお土産を置いて帰るってのも失礼な話なので、急いでアンソン家に引き返す。
しかし、ついさっき感動のお別れをしたばかりなので、相当にバツが悪い。
しまっ 「あのー・・・、さっき頂いたお土産忘れたんだけど・・・」
アンソン 「えっ?出る時車のダッシュボードに自分で置いてましたよ」
しまっ 「えっ?あっ!あった・・・。失礼しました〜」
赤面しながら今度こそ本当にさようなら。
また来月パーティーで会いましょう!
さて、これからどうするか。
とりあえずアンソンさんが教えてくれた温泉に行って、それから考えよう。
露店風呂にゆったり浸かって、今日一日の疲れをとる。
それから車に乗って出発だ。
とりあえず今度は北を目指すため高速道路に入った。
まだ夜10時だったので少し走っておこうと思ったが、昨夜はあまり寝ていなかったせいですぐに眠気が襲ってきた。
宮崎道の霧島サービスエリアに車を入れて、今日はここで車中泊する事にした。
明日はまたボチボチ走って福岡まで戻り、夕方からは筑後川で釣りをしてみる予定だ。
こうして楽しいひとり旅の3日目が終わったのだった
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HINOKUNI FISHER | てらもっちゃんのブログ |
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