深夜釣行 > 釣行記 > 2010/ 7/14

九州5日間ひとり旅
〜準備編〜

きっかけは半年ほど前にTeamSALTの冷凍こがさんから聞いた九州の筑後川シーバスの話だった。
夏の一時期、昼間にボイルが発生し大型シーバスがトップで釣れるらしいのだ。
しかも川幅300mの河川のド真ん中でボイルが起こったりするので、ぶっ飛びハンドメイドルアーで攻めるとの事。
そしてベイトは「エツ」という有明海固有種のカタクチイワシ科の魚らしい。
さらに釣れるシーバスもアリアケスズキというこれまた有明海にしか居ない種類のシーバスらしい。

※有明スズキ
大陸産のスズキと日本産スズキとが太古の海で交配し、その後海水面の上昇により形成された有明海にだけ適応し、生き残った独自のスズキの集団

この他にも有明海には、エツやアリアケヒメシラウオ、おなじみムツゴロウなど他の水域では見られない貴重な固有動物が生息する。

地元香川県にはない大規模河川で大遠投の釣り。
マルでもヒラでもタイリクでもないスズキ
そしてベイトもそこに行かなければ居ない固有種。
そこには確実に自分の知らないシーバスフィッシングがある。
もう興味津々、是非体験してみたいと思うようになっていた。

そして筑後川遠征を考えているうちに、もうひとつの欲求が自分の中で膨らんできた。
それは「一人旅をしてみたい」という思いだった。
知らない土地に一人で行って、行き当たりばったりで自由気ままに放浪するってのをやってみたかった。

しかしお気軽に一人旅に出られるような身分ではない。
仕事もある。
家庭もある。
そして金はない・・・

しかし考えてみれば
仕事は休日も有給休暇ある。
家庭の方は子どもも小学生になったので、おとーさんが数日間居なくても多分困らない。(役に立たないとも言う)
お金は節約して貯めればよいし、一人旅なら安く行く事もできる。

よし、行こう!

仕事を調整し、嫁の機嫌をとり、小遣いを貯めて準備を進めていた。

決行は7月の3連休。
しかし放浪一人旅を満喫するには3日では足りない。
そこで仕事の段取りを調整して有給休暇を2日間くっつけて7月15日〜19日の5連休にした。


そしていよいよ迎えた7月14日(水曜日)の夜、出発に備え旅の準備をする。
といっても、一人旅なので準備は超簡単。
いつも通勤に使ってる軽四貨物車に5日間分の着替えの入ったバッグを放り込む。
助手席と左側のリアシートを倒して座布団を並べて車中泊ができるようにする。
ほぼこれだけで準備完了(笑)

親父が「ワシの車と変えてやるから乗っていけ」と言ってくれたが拒否。
親父の車は普通車1BOXでカーナビも付いている。
そりゃ便利で快適だろうけど、今回の旅には必要ないのだ。
せっかくの自由気ままな一人旅、カーナビ付きの車で機械にルートを決められるなんてまっぴら御免って事だ。
地図を見ながら
道に迷いながら
遠回りをしながら
その土地を楽しみながら
無駄な時間を楽しみながら
時にはトラブルで途方にくれながら
それが一人旅の楽しみ方ってモンだろう。

準備はすぐにできたので、夜のうちに出発しようかと思ったが先を急ぐ旅ではない。
仕事疲れを引きずったまま夜中に眠気をガマンして走るのは嫌だった。
それにどうやら本日未明からの豪雨で、これから向かおうとしている中国地方や九州北部は洪水や土砂災害が発生しているようだ。
テレビのニュースでは、土石流で押しつぶされた民家や、河川氾濫で床上まで浸水した福岡県の様子、それに大増水した筑後川の映像が流れていた(爆)

(オイオイ大丈夫なのか?)

前途多難な九州一人旅に想いを馳せながら布団に入った出発前夜だった。


つづく

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