深夜釣行 > 釣行記 > 2009/ 9/30

泥仕合


9月30日、久しぶりに雨が降った。
こんな日は雨が降るとテンションが上がる体質のあの人と待ち合わせだ。

午後9時過ぎ、某河川上流部でゲンキマンさんと合流する。
最初のこのポイントでは2人でオープンエリアを撃っていたが、ベイトの気配も希薄で流れもなくダメっぽ い。
ならば・・・

しまっ「ちょっとあそこの壁撃ちしてきます」
ゲンキ「あっ、それ僕も今行こうと思ってたのに」


どうやら考える事は一緒のようですな。

ゲンキ「じゃぁしまっさん先に撃って下さい」

うむ、謙虚でよろしい。

ゲンキ「僕はしまっさんが撃った後のポイントで魚出しますから」( ̄ー ̄)

なるほどそういう作戦か。
早速仕掛けてきたな。

しまっ「じゃぁ僕は向うの端からやりますから、半分づつやりましょう」

ここは公平にいかないとね。

ここで自分が壁撃ち用に自分がセットしたルアーを見たゲンキマンは

ゲンキ「うわっ、えげつないルアー付けてますねー。リップがないっすよ。」

そう、自分は壁撃ちエースルアーのX−80SWリップレスに付け替えたのだ。
通常のリップ付きミノーのプルプルアクションに反応しないシーバスをこれで狩る作戦である。
これでゲンキマンをギャフンと言わせてやるぜ( ̄ー ̄)

という事で、壁の両端に別れて壁撃ち開始。
2人で壁際をネチネチ攻めていく。
そしてアタリがないまま中央に到達。
ゲンキマンさんも端から中央まで攻めてアタリはなかったようだ。
ここから先はお互い相手が攻めた後のポイントに突入することになる。
2人とも今度は中央から端に向けて壁を撃って行く。
これでシーバスが釣れればしてやったり。
ゲンキマンに精神的ダメージを与えることができるのだ。
先ほどにも増してネチネチ丁寧に壁際を攻めていく。
しかし、端まで攻めてノーバイト。
ゲンキマンさんもアタリはなかったようだ(ホッ)

勝負は次のポイントに持ち越しだな。
と、ここでゲンキマンさんのラインの先にブラ下がっているルアーを何気なく見ると・・・

ちっちゃいジグヘッドにゴム付けてやがる!
どっちがえげつないんじゃ!

こうなったらここから先は仁義なき戦いだぜ。


この川はどうやら魚の気配がないようなので、次の川に移動。

本日2ヶ所目のポイント・・・は、パッと見で生命感が感じられない状況だったのでスルー。


そして3ヶ所目のポイントに到着。
こちらは流れもあり、ベイトもチラホラ見えるので条件は悪くなさそうだ。

ゲンキ「しまっさん、どっちが先にあの隅っこ撃つかジャンケンしましょうか」
しまっ「いやいや、どうぞどうぞお先に( ̄ー ̄) 僕はゲンキマンが撃った後でも魚出しますから」

正直そんな自信があるはずもないが、もし実現すれば一気に決着をつける事ができるのだ。

ゲンキ「じゃあお先に・・・」
という事で、ここでの一級ポイントをゲンキマンが先に撃ち始めた。
さすがに元バスプロだけあって、こういう小場所の攻めはいやらしいほど上手い。
華麗なキャストで壁際にポンポンルアーを撃ち込んでいく。
・・・って、見とれてる場合じゃねぇ!
ヤバイ、作戦が甘かったか?
ここで釣られたら作戦が水の泡じゃないか。
しかし一通り攻め終えてどうやらノーバイトだったようだ。
ゲンキマンさんは隅っこの壁際をあきらめ、今度は沖向きの流れの筋を攻め始めた。

よしよし、何とか大丈夫だったようだな(ホッ)
しかし、ゲンキマンさんのあの攻めで出なかったという事は、あの隅っこには本当に魚が居ないのだろう。
こりゃ作戦変更の必要があるな・・・
ふっふっふ、次の作戦もちゃんと考えてあるのだよゲンキマン。
そしてさっそくその作戦を仕掛けた( ̄ー ̄)

隣で沖向きを攻めているゲンキマンさんの足下の壁際にポチャンとルアーを落とす。
相手がゲンキマンさんだからこそできる禁断の攻めなのだ。
やったなという表情でこちらを見てニヤリと笑うゲンキマン。
そのままチョンとトゥイッチしてポーズ。
ここで喰え!

しかし・・・、シーバス無反応・・・

しまっ「ゲンキマンの足下で水柱が上がる作戦やったのに、失敗したわー」

作戦成功していれば相手に相当の精神的ダメージを与えられたはずなのに、残念。
仕方ないので、自分も流れの周りを攻めていく事にした。
とにかく先に1本出して戦いを有利にするのだ!


と、その時

ポチャン、と自分のつま先下の壁際でルアーの着水音が聞こえた。
ハッとして振り向くと、こちらを向いてニヤリと笑うゲンキマン。

しまったぁぁ、こっちも自分の足下がお留守になっていたぜぇぇ。

しかし・・・、シーバス無反応・・・
ホッ、助かった。

どうやら仁義なき戦いというよりは泥仕合になってきたな(笑)

隅っこや壁際では無反応だったので、今度は2人してベイトが溜まっている沖向きを攻めていく。
すると程なくしてゲンキマンのロッドが鋭く空気を切り裂いた。

ゲンキ「うわっ、切れた〜」
どうやらアワセ切れだったようだ(危なかった)

しまっ「ボラに鬼アワセを入れるとは、やりますな」

ゲンキ「いや、今のアタリはシーバスっすよ」

しまっ「いやー、ボラやろー」

ゲンキ「いや絶対シーバス」

なに?
本当にシーバスだとすれば・・・

ゲンキマンが後ろを向いてラインシステムを組み直している今がチャーンス♪

絨毯爆撃開始!

しかし、撃っても撃っても反応なし。
そうこうしているうちにゲンキマン復活!(チッ)

そう広くないポイントを2人で撃ち尽くしてしまったので、決戦の舞台は次なるポイントへ。
この川の中流部まで下がってやってみる事にした。

ゲンキマンさんは車からタックルを降ろすと
ゲンキ「しまっさん、僕タモ持って行かんでいいですか? 魚掛けたら掬ってくださいね♪」
と言いながら橋の下に向かって歩いて行った。

ふっふっふ、ゲンキマン、橋脚はパッと見で分かりやすいポイントだが違うのだよ。
下げ潮が効いている今、ベイトが溜まるのは目に見えない川底の地形変化が流れの変化を生み出すコチラなのだよ( ̄ー ̄)
という事で、自分は下流側のオープンエリアを攻めてみる事にした。

新しい相棒ANGEL SHOOTER 95LMの遠投力を生かしてフルキャスト。

50M先にあるオープンエリアのピンにルアーを流し込んでいく。
   (↑もちろん嘘(笑) 本当は大体この辺かな?で適当に投げただけ)

1投目は反応なし。
そして2投目を投げようとしたその時・・・

ドババババ
橋脚の方で激しい水柱が上がる。

ゲンキ「しまっさぁ〜ん♪」

「しまっさぁ〜ん♪」・・・じゃねぇぇ!
しかもエラ洗いの様子からして結構デカそうやん。

仕方ないので自分のロッドを置き、タモを持って歩いて行く。

橋の下で大型シーバスとやり取りするゲンキマン。
タモを持ってそれを横で見守る自分。

軽いデジャヴにも似たこの感覚。
はて?この光景はどこかであったような・・・

そうだあれは1年前の9月20日。
まさにこの場所で自分が大型シーバスを掛けて、ゲンキマンさんが隣でタモを構えていたのだ。
立場が入れ替わっているが、完全にあの時の再現ではないか。
そしてあの時は、ゲンキマンさんの差し出したタモにシーバスの体が半分入った刹那、シーバスが暴れてタモの中には自分のルアーだけが残っていたのだ。

しまっチャ〜ンス♪」(爆)
ゲンキマンさんに向かって邪念を送りながらやり取りを見守る。
ここでバレれば自ら手を下すまでもない。
しかしシーバスはバレる事なく足下まで寄ってきてしまった。

ゲンキ「早よすくって下さいよー」


ふっ、仕方ない・・・
力尽きて浮いてきたシーバスに向かって、自分がタモを伸ばす。
シーバスの下にそっとタモを入れて頭からシーバスを掬ってそっと持ち上げる。
シーバスの体が半分以上タモ枠の中に入った。
よし、ここだ!
がんばれシーバス!
軽くタモを揺すってシーバスに刺激を与える(爆)
しかし既に力尽きていたシーバスは、そのままスッポリとネットの中へ堕ちた。

チッ、この根性なしめ


そして写真撮影・・・・


  
   なんだその勝ち誇ったような満面の笑みは




しかし勝負は下駄を履くまで分からないと言うではないか。

今度は自分も橋脚にポイントを移し、ゲンキマンさんがまだ攻めていない上流側から橋脚に向かってル アーを流し込む。

1投・・・2投・・・、無反応。
3投
やっぱり無反応。

ダメか、ならば下流側をもう一度攻めなおしてみる。

するとゲンキマンさんが、先ほど自分がチェックしてダメだった橋脚上流側にルアーを投げ込んだ。
ふっ、無駄な事を

ところが

バシッ!ジィィーーーーーーー・・・
ゲンキマンのロッドが大きく曲がった。

(゚Д゚;)ナヌ!?

しかしこれはファーストランの直後にバレてしまった。

ゲンキ「惜しい!今の獲れてたら完全にトドメやったのに( ̄ー ̄)」


いや、もう十分だから(涙)


こうして泥仕合の軍配はゲンキマンに上がった。
しかしゲンキマン、笑っていられるのも今のうちだぜ。
この借りは必ず返す!

来たるべき府中湖バス釣り勝負でな。



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