深夜釣行 > 釣行記 > 2008/ 1/ 2

2008年初笑い


2008年1月2日
今年の初釣行は高知への遠征でスタートだ。
狙いはもちろんモンスタータイリクスズキ。
年末にガムさんが仕留めたビッグワンに続くのじゃ〜。

  
  2007/12/29 ガムさんのモンスタータイリクスズキ 111.5cm(11kg)


しかし、その前に自分にはやらなければならない事があった。
それはもちろん家族サービスである。
・冬休みにおとーさんは自分だけ釣りに行って家族をどこにも連れて行ってくれなかった
・宿題の絵日記が書けなかったのはおとーさんのせいだ
なーんて事になった日には、今年の釣行回数は激減必至である。
そこで初釣りと家族サービスを両立させるため、お出掛け先は高知の桂浜を選んだ。
昼間は家族と観光して夕方には家族だけを家に帰し、夜はおとーさんだけ高知に残って釣りをする作戦である。

という事で昼間は桂浜観光を楽しんだ。

桂浜 土佐闘犬センター 坂本龍馬像



そして夕方6時過ぎ、家族をJR高知駅で降ろして家族サービスタイム完了!
既に釣り始めているさっしーさんと合流するためにポイントへと車を走らせた。

午後7時、さっしーさんと並んで釣り開始。
潮は干潮前で緩んでおり手前側は40cm以上もあるボラの大群、沖には20cmぐらいコノシロという状況である。
沖のコノシロに着いているであろうシーバスを狙って遠投を繰り返す。
しかし掛かってくるのはコノシロ、そして手前のボラを避けそこなうと強烈なボラファイト(笑)

そんな事をしていると、さっしーさんと一緒に白い帽子のアングラーがこちらに歩いてきた。
「こんばんわー、初めまして、風神です。」
なんと、昨年シーバスGPに参戦してくれていた神戸の風神さんだ。
同じく神戸のエフワラさんも一緒に来ていた。
神戸のシーバス事情などの話を聞かせてもらいながら4人並んでルアーを投げる。
こうしてネットで知り合った方と一緒に釣りができる事はホームページをやっていて良かったと思える楽しいひと時だ。
今年は神戸シーバスにも挑戦してみたくなった。


時々掛かってくるボラファイトに翻弄されながら、やがて潮は干潮を過ぎて流れの向きが変わってきた。
流れの筋を見ながら自分とさっしーさんはポイントを少しだけ移動して探っていく。
しかし掛かってくるのは大ボラばかりでシーバスの気配が感じられない。

と思っていたら、ボラの大群のド真ん中で

ドッパーン

尋常ではないボイルが出た。
ウェーディングしているさっしーさんからは10m程の至近距離である。
さっしーさんは思わず後ずさり(笑)

暫くするとまた同じような所で

ドッパーン

何かが居る・・・
並のシーバスのボイル音ではない。
シーバスならモンスターサイズ、そしてもうひとつの可能性はアカメである。
本来アカメは夏の魚だが、昨年末にも釣れていたのと情報もあった。

試しにそこへルアーを通してみるが、水面を埋め尽くすボラの大群に翻弄されるばかりだ。

そうこうしていると、別の場所で釣りをしていたみんなが様子を見に来てくれた。
愛丸さん、ガムさん、CRAZY"COOL"HUNTERのMr.Hさん、福神さん、YASUさん
そして東京から遠征のトッティさん
地元高知のはむはむさんもコチラに向かって来ているという。
お正月の高知で大集合である。

Mr.Hさんに先ほどの謎のボイル音の話をしていると、またボラ大群の中でまた

ドッパーン!

Mr.H「しゃべっとらんと、はよ投げよ」
しまっ「わかりました。ちょっとやってきます」

再び護岸に降りて謎のボイルにチャレンジ。
しかし、先ほどまで投げていたシャロータイプのルアーでは表層を泳ぐボラの大群に翻弄されるだけだ。
シンキングペンシルを沈めて下を攻めようにもボラの大群にラインが当たって沈めることができないほどである。
実は前回の高知遠征でもこのボラ大群を見ていたので、今回は釣行前からこのボラ大群の下を攻めなければならないことも想定して新品のルアーを開封して持って来ていた。


  
        ラパラ CDマグナム−11

大きな金属リップに水を受けてグリグリ潜るこのルアーでボラ大群の下を攻める作戦だ。

ボラの群れの向こうにキャスト。
1投・2投・・・
ラインはボラに当たるがルアーには掛かって来ない。
しかし水深がないためルアーが底を掻いている。
根掛かりさせたらこのタイプのルアーは1個しか持ってきていないので終わりだ。
ロッドを立て気味にして、ルアーが潜り過ぎないようにしながらボラの下にルアーを通してみると



ドンッ
ジィィ
ィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

強烈なアタリと暴力的なファーストラン

 しまっ「これはボラとちゃうでぇぇ」

ファーストランが止まったところで寄せにかかろうとするが、今度は根掛かりしたようにビクともしない。

あうぅ・・根に巻かれたか?

 「う、動かん〜」

いや、動き出した!

ゆっくりではあるがとんでもない力で泳ぎだした魚の動きが大きく曲がったロッドに伝わってきた。

ドラグから糸がジリジリと出る。

何とか魚をこちらに向けようと必死でロッドを立てるが、それをあざ笑うかのように魚は再び走る。

ジィィィィーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

青物のようなスピードこそないが、とんでもないトルクで全く止めることができない。

かなり糸を引き出されたところで、また魚がピタリと動きを止めた。

どうやら魚は一休みしているようだ。

このチャンスに寄せようとしても、止まったら止まったで今度はビクとも動かない。

タックルはメーターシーバスを想定したタックルを組んできている。
・ロッドは10.6ftのミディアムライト(テンリュウSRM106ML)
・リールはツインパワー4000
・ラインはPE2号(X-wire 27lb)にナイロンリーダー35lb

しかしこのタックルでは、ひと休み中の魚を必死で引っ張ってもビクともしないのだ。

そうこうしているうちにまたジリジリとドラグから糸を引き出して悠然と泳ぎはじめる。

そしてまたダッシュ

ジィィィィーーーーーーーーーイィィーーーーーーーーーー

もう好きにして・・・(;´Д`).。


この様子を見ていたMr.Hさんが後ろから指示を出してくれる。

「獲れる魚やで!」

「そっち障害物があるからこっちに回り込んで」

「ここから下に降りて出られるだけ前に出よう」


手前にある障害物を避けるために水に入って前に出る。

ウェーダーを履いていれば障害物より前に出られたかもしれないが、自分は長靴しか履いてなかった。

それでもこの立ち位置なら何とかなりそうだ。

ここで勝負!

めいっぱいロッドを曲げてポンピングで寄せようとする。

ジィィィィーーーーーーーーーーーーーーーーー

あうぅ・・・

少し巻いてはまた走られて、巻いてはまた走られて、そんな事を何度繰り返したか。

張り詰めたラインの先で水面がモワモワと動いた。

その距離約20m

今度こそ勝負!

ドラグをジリジリ鳴らしながらもポンピングで寄せる。

もう長距離ダッシュをかます力は残っていないようだ。

魚との距離が徐々に詰まる。

そしてヒットから数分後、足下の暗い水の中から魚の姿が浮かび上がってきた。

デカイ! けど、シーバス?

と思った次の瞬間、魚体が横倒しになり魚の目がルビー色に光った。

もう間違いない、アカメだ!

ウェーダーを履いていたさっしーさんがギャフを片手に恐る恐る魚に近づく。

さっしー「どこにギャフ入れたらええん?」

しまっ「エラはいかんで!下唇に掛けて」

護岸ではみんなが見守る中、さっしーさんがアカメの下あごを手で掴み魚の下唇にギャフを打った。

やった!獲った!信じられん・・・

予想を遙かに超えるその魚を見た瞬間、なぜか笑いがこみ上げてきた、というか・・・壊れた(笑)

「うぉースゲー、あはははは、あっはっはっは、うひゃひゃひゃひゃ、ひー


静かな川べりに響く意味不明なバカ笑いに全員ドン引き



























そして護岸に横たわったアカメにメジャーがあてられた。

  
         なんと!メーターを超えている (107cm)



  
 ブツ持ち写真を撮ってもらうために魚を抱え上げる



  
                  お、重い



  
    昨年5月に釣れちゃった54cmと顔つきが違う(怖っ)


  
   Mr.Hさんがデジタル秤を持って来てくれて重量が測定される

16.7kg・・・うちの娘(6歳)とほぼ同じ体重だ。


  
撮影と測定を終えたアカメを水に戻し、エラに水を通してじっくりと蘇生する
  


  
        リリース可能な状態になるまでじっくりと

リリース時に気がついたのだが、口の左側が少し変形しているのが写真で分かるだろうか。
もしかしたら過去に釣られた事のある個体なのかもしれない。
だとすれば、過去にこの魚を丁寧にリリースしてくれた人のおかげで巡り合えた魚である。

魚がひっくり返らずに自力で泳ぎ出せるまでに回復したことを確認してリリースする。

  
           名残惜しいけどそろそろお別れ

ゆったりと暗闇に消えていくアカメを見送ってから、まだ震えが止まらない手でこの場に居合わせてくれた仲間と握手をかわす。

ありがとう
この上ない感動と興奮を与えてくれたアカメに感謝。
この素晴らしい魚を育む高知のフィールドに感謝。
そしてこの幸運に導いてくれた大切な仲間に感謝。

本当にありがとうございました。


おしまい・・・・??









と思いきや、この夜はこれで終わりではなかった。

改めてアカメがヒットしたポイントを見ていると・・・


ボラの群れの中をアカメが背ビレ立てて泳いでますやん(驚)

ド派手にボラを食い散らしてますやん(驚)

幻が幻でなくなってますやん(驚)



まだまだチャンスだそれ投げろ〜


自分は1本釣ったので戦線離脱して見学。

年末にメーターオーバーを釣っているMr.Hさんとガムさんも参戦せずにサポートにまわる。

しかし、断続的にボイルはあるものの次のヒットはない。
それらしきボイルはあるし、時々背ビレも見えるので居るのには間違いない。
どうやら居れば食うというものではなくて、潮の流れの変わり目とかそういうタイミングがあるようだ。

そして1本目のアカメから約4時間以上が経過した午前1時、福神さんがやった。


  
      カメラのフラッシュを激しく浴びる福神さんとアカメ83cm

この場が再び感動と興奮に包まれた。


  
         このアカメも時間を掛けて丁寧に蘇生

自力で泳げるようになったのを確認してリリースし魚を見送る。


こうなったらもう間違いない、目の前に居るのはシーバスでなく全てアカメ。

ヒットすればそれは幻の魚アカメ。

まだ散発的ながらアカメと確信できるボイルも出ておりチャンスタイムは続いている。

もはや場の雰囲気は、次にアカメを掛けるのは誰だ!状態になってきた。



そして福神さんのヒットから約1時間半後の午前2時半頃

今度は神戸の風神さんが掛けた!

大きく弧を描くシーバスロッド

悲鳴を上げ続けるドラグ

Mr.Hさんがサポートにまわり、緊迫感のある長いやりとりが続く。

ヒットから数分後、護岸からの距離20mほどの所でアカメがエラ洗いした!

ドバババッ

デカイ!

ドラグから軽々とラインを引き出していく暴力的な走りからしてもかなりの大物と思われた。

そして再びエラ洗い

やっぱりデカイ! けど距離は詰まっている。

ここでMr.Hさんの合図とともに、風神さんが一気に勝負に出る!

障害物をクリアするために、強引にポンピングで寄せにかかる。

しかしヤツはまだ力を残していた。

シーバスタックルのパワーではアカメをコントロールできない様子だ。

ヤバイ!障害物にラインが触れている!

ロッド操作で何とか障害物に掛かったラインは無事外れた。

しかし次のアカメのダッシュが始まった瞬間だった。


パシッ
イヤな音が闇夜に響く

無念のラインブレイク・・・

どうやら障害物との接触でPEラインに傷がついてしまったようである。

  
  その場にへたりこむ風神さん しばらく立ち上がれず茫然自失



その後はボイルはあれども誰にもアタリはなく、ボイルの収まった午前5時過ぎに全員撤収となった。



しかしアカメといえば夏の夜の幻と思っていたが、正月にこんな事になろうとは思ってもみなかった。
自分のタックルはメーターオーバーのタイリクスズキを想定したセッティングだったが、アカメに対しては完全にパワー不足。
今回ランディングできたのは本当に運が良かったと思う。
本気でアカメを狙うなら2倍のタックル強度が必要だと感じた。



この翌日にはチームメイトのパイプマンさんが得意のショアジギング用タックルを持ち込んでアカメに挑戦。
見事2本のアカメ(95cm&78cm)を釣り上げている。

しかし1人で2本はやり過ぎじゃ〜

  
     1月3日夜 このアカメは95cm(11kg)

千載一遇のチャンスをモノにするために、そしてこの素晴らしい魚を大切にするために、これから真剣にアカメを狙おうという方はパイプマンさんのように大型のシイラやブリともガチンコ勝負できるようなパワータックルで臨むのが正解だろう。



さらにその翌日の1月4日の夜には、さっしーさんがやはりショアジギタックルを持ち込んでアカメにチャレンジ。
アカメのヒットはなかったものの、メータオーバーを含む2本のランカーシーバスを釣りあげた。

  
      タイリクスズキ103cm!

これもプレミアムフィッシュ! 夢のメーターオーバーおめでとう。



それにしても正月早々から全ての運を使い切ってしまった自分・・・
後は堕ちて行くだけだな(自爆)




釣行記目次に戻る